2018.4.21(土)

テーマ:絵画的表現方法の研究

ポートレートの原点である絵画。絵画を感じるポートレート写真を撮るには何に気を付け、どんなアプローチをするのかを研究してみた。今回は、油彩、水彩、パステル画の3パタンをターゲットにした。
 

 
 
 

画作りのポイント

ポートレート写真を絵画的表現するには、写真と絵画の違いから紐解きたい。カメラの無い時代は画家(製作者)がモデル(被写体)に長時間を掛けて向き合い、人物を観察し、人となりを描いてきた。よって、人物にクローズアップする事を軸として、具体的な画作りのアプローチをしていく。

1.モデル選び

ポーズや表情のレパートリーや動きが美しいモデルである必要は無く、静止していても味を感じるモデルを選ぶ。横顔が綺麗なモデル。

2.スタイリング

油彩風の場合は全体的に茶系の画作りをしたいので、衣装は同系色である、ベージュ〜ブラウン〜ダークブラウン〜ブラック系。メイクは無しか薄めで誇張せず日常を感じる程度。
水彩やパステル画風の場合は白系や明るく柔らかい色や生地の衣装。メイクはピンクや水色をポイントに乗せる。

3.レンズと絞り 

明るめのレンズを開て、柔らかく、人の視線に近い風合いを狙う。

4.ライトシェーピングツールとライティング

ポイントはメインライトの光の広がり度合いとコントラストのコントロール。背景の明るさ、環境光であるタングステンとのミックス度合い(環境光の出力調光とシャッタースピード調整)と背景への適切なテキスチャー付け。
 
1)油彩
ロウソクやタングステンライトを意識し、スポット系にしながらもコントラストは強すぎず、エッジは作らず、グラデーションを作る。
実習では1×6’ ソフトボックスにグリッドとストリップを付けて、細い光ながらも柔らかい光をメイン。背景はタングステンをミックスさせてダークブラウンにして、そこへスポットライトで斑を付け、筆感を演出。
 
2)水彩
柔らかくコントラストが低い画をターゲットとし、アンブレラやソフトボックスを更に柔らかくする為、天井バウンズや床や壁バウンズをさせる。
 
3)パステル
パステル系の色をカラージェルで入れる為、メインライトを決める段階で、背景を薄いグレーにしておき、ヒストグラム上に  白飛びしない様に余裕を持たせておく。

5.ポジショニング 

1)油彩
ダークブラウン(ダークグレー+オレンジ)にする為、被写体と背後の壁にスペースを取り、被写体とメインライトを近づける。
 
2)水彩
背後の壁への影ができない程度で被写体を近くし、なるだけメイン光との距離をとり、コントラストを抑える。
 
3)パステル
カラージェルのスポット光を打つ為、背後の壁の色をライトグレーにできる様、少し、背後から離れた位置に被写体を置く。

6. 表情とポーズ

絵画風に仕上げる場合は、モデルへは、より普通なポーズ、素な表情や視線で、座って動きの無い固定したものを要求。

7.RAW現像

油彩の場合は重厚感を演出する為、髪の毛を潰さない程度にコントラストを入れる。水彩の場合はコントラストを引く。パステル画はかすみの除去を少し引く(または撮影時にフォグ系フィルタを使用)。
もし、新しい作品なら彩度は高めにし、古くなった作品をターゲットにするなら彩度は低めにする。
いずれの場合も素粒子感を演出する様、粗めの粒子を入れる。

参加者の声