2019.7.20(土)
テーマ:季節や天候を表現する
ポートレート撮影にストーリー性を持たせるには、「季節」や「天候」は「場所」や「時間帯」と同様にしっかりと軸をもたせたいポイント。
たとえ、それがスタジオでのストロボ撮影であっても、ライティング中心にコントロールできると、表現力の幅は広がり、より” 伝わる写真 ”が撮れる。
画作りのポイント
「暑い夏の屋外」「エアコンが追いつかない暑い夏の屋内」「曇天」「雨の日」「雨上がり」「秋の日」等を設定して、撮影実習を実施。大事な事は、細かな演出や技術以前に、それらのテーマにおいて、どんな画づくりが必要なのか、頭の中に最終形の写真を思い浮かべる事が出来るかどうか。
1.モデル選び
ポーズ先行型モデルでは無く、ストーリーを伝えると表情や視線をコントロールできるモデル。
2.スタイリング
衣装は、夏用としては白を基調としながらもオフホワイトやテクスチャーがあるとライティングをする際にダイナミックレンジが広がりやすく自由度が増す。
秋用はベージュからブラウン系がライティングと一致しやすい。
メイクは夏は元気色であるオレンジ系等、秋はブラウン系等、春は薄いピンク系等が王道。
3.レンズと絞り
夏はカッチリと日差しの強さを表現する為、F値は固すぎず柔らかすぎず。屋内で座っている場合は角度も付きやすいので、シフトレンズを開放で使用すると暑さ感が表現できす。
雨の場合はF値を開放に近くして、柔らかさ(=どんより感)を表現。
秋の表現には、F値は開放近くで視線に近い表現をする。
4.ライトシェーピングツールとライティング
夏の屋外の設定はマグナム等の金属系でグリッドを付けると被写体の影がより黒くなる。
夏の屋内の設定では、外光の入る方向を設定して、そこへマグナム光を壁に照射し、被写体へは弱めで柔らかい光(アンブレラ等)を向ける。
雨や曇天の設定では、陰影をつけずに、柔らかめに。後ろをダークグレーに持って行きたいので、両脇からディフューザーと指向性のないライトシェービングツールで被写体を挟み込む。背後へは薄くブルーのジェルと雲を表現する為のテクスチャーの付く工夫を。
秋は1x6等の指向性のあるソフトボックスにグリッドとストリップマスクを付け、陰の付きすぎを軽減する為に小さめのソフトボックスで起こす。背後へはGOBO等で斑を付けると更に味のある画づくりができる。タングステンの環境光とのミックス具合の調整によって表現したい背景色を微妙にコントロール。
5.ポジショニング
背後に影を付ける場合は壁の近くに。影の位置は光源の高さや角度にてコントロール。後ろを落としたい場合は壁から被写体を離すか、光源を被写体に近づけて強く照射するか。
6.表情とポーズ
表現したい世界観に合わせて表情やポーズを自発的にモデルに表現してもらう。その為にストーリーを明確にモデルに伝えておく。夏は眩しさや蒸し暑さ、雨天は憂鬱さ、秋は感傷的等。
7.RAW現
夏の屋外はコントラスト、雨天は彩度低め等の調整。