2018.1.27(土)
テーマ:ライティングで演出する朝と夜 〜 時間の表現方法 〜
ポートレート撮影をする際の留意点の一つである時間軸を写真表現する際のライティング、及びその他の要素について探求してみた。
画作りのポイント
朝、昼、夜と時間帯が変わると、何が変わるのかを考え、そのアートディレクションに従って、具体的にライティング及び被写体のスタイリングや表情、ポーズ、視線等をコントロールして演出していく。
1.モデル選び
状況、イメージ、ストーリー等の設定を伝えると、自らのイマジネーションを働かせ、ポーズ、表情、視線等を自発的にコントロールして演じる事のできる表現力のあるモデル、シーンの中に馴染み、溶け込めるモデルを選ぶ。
2.スタイリング
設定したストーリーに即したもの。今回WSでは、オフ日のベッドルームという設定だったので、キャミソール、ルームウェア、ノーメイク、髪もそのままというスタイリング。
3.レンズと絞り
ストーリーのある撮影の際は視線に近づける為、明るいレンズを開放に設定。単発のシーンではなく、時間軸というシリーズでトーンを統一するにはF値を変えずに風合いづくりを行う。
4.ライトシェーピングツールとライティング
ポイントはメインライトの光の広がり、背景の明るさ、環境光であるタングステンとのミックス度合い(環境光の出力調光とシャッタースピード調整)。
朝から午後にかけては広がる光源。夕刻から夜にかけては少しずつ光源を小さくしていき、コントラストもディフューザー、光の方向等で変えていく。深夜は消灯した設定だとタングステンは消し、小さめの光源にして月光を演出する。
いずれの場合も、室内を想定した場合はコントラスト少なめ。
5.ポジショニング
朝から午後にかけては被写体と背景は双方とも明るくする為、メイン光を距離を作り、午後から夜は徐々に光源を近づけて、背景との光量バランスをつけて背後を落としていく。
6. 表情とポーズ
今回はオフの日の一人でベッドルームでくつろぐという設定にしました。この設定の中に画作りをする情報は多く含まれています。オフだとウィークデイに比べ穏やかな表情であり、一人なので、カメラを意識する視線や誇張したポーズは不要です。この様に設定シーンやストーリーをモデルと共有して、そこから逆算して表情やポーズを設定して、自発的に演じてもらい、ずれてくるとコントロールすると自然な雰囲気に仕上がる。
7.RAW現像
油彩の場合は重厚感を演出する為、髪の毛を潰さない程度にコントラストを入れる。もし、新しい作品なら彩度は高めにし、古くなった作品をターゲットにするなら彩度は低めにする。水彩の場合はコントラストを引く。パステル画はかすみの除去を少し引く(または撮影時にフォグ系フィルタを使用)。いずれの場合も素粒子感を演出する様、粗めの粒子を入れる。